長期投資をオススメする理由について
今回は主に株式投資における投資期間の考え方の紹介から、資産形成が目的ならば長期投資をオススメする理由について、私なりの考えを書いてみたいと思います。
株式投資の場合、一般的には株式市場で取引されている株を売買する事になりますが、ネット証券が発達した現代では1日や1時間(!)といったごく短い期間で売買を行う投資から、月単位、年間単位で保有して売買を行う投資まで、自由に様々な時間軸をとる事ができます。
しかし、自由度が高い(=いつでも売買できる)とかえって私のような素人はどのような時間軸で投資を行えばよいのか分からなくなってしまうため、投資で利益を得るまでの投資期間別スタイルについて以下のようにまとめてみました。
①短期間での利益を狙う投資スタイル
短期間での利益を狙う投資スタイルとしては、いわゆるデイトレードというスタイルが主流となります。
株式市場においては株の値段(=株価)は、市場の営業時間中に常にリアルタイムで変動しているので、その1日の営業時間内で何度も売買を繰り返しながら、1日の株価チャート動きを予想しながら利益を狙う投資となります。
1日の株価の値動きについては企業の財務状況などは基本的に関係ない世界なので、その日に出るニュースや他のデイトレード投資家がどのように売買を行うのかを予想しながら売買をする必要があります。(ゲームに近い感覚ですね)
たまにテレビで取り上げられるような投資家といえば、もっぱらこのスタイルでやられている方が多い印象があります。見た目に分かりやすく理解しやすいからでしょうか。私はデイトレードはやらないので完全に想像に頼る事になりますが、薄暗い部屋の中で何台もPCモニターが並べてあって、その中に表示された無数の株価チャートや指標を見ながら売買を繰り返すようなイメージです。
このスタイルが出来るのは丸1日PCモニターのチャートを眺め続けられる人だと思いますが、まず日中に普通に会社勤めをしているサラリーマンでこのスタイルはできる人はそういないと考えます。なにより仕事時間中に仕事そっちのけで株価チャート眺めてたらいずれクビにされてしまいますね😅
また何度も売買を行うとその分証券会社に払う手数料の総額も大きくなっていく事、そして株価チャートに張り付いている時間も考えると金銭面でも時間面でもあまり効率が良いやり方では無いと私は考えます。
②中期間での利益を狙う投資スタイル
中期間での利益を狙う投資スタイルとしては、あまり明確な定義や位置付けがあるわけでは無いみたいですが、デイトレード(数時間〜1日)よりは長い投資期間を取りつつも、長期間の投資ほど長い時間は掛けずに利益を狙うスタイルが該当するようです。
主に1週間から数ヶ月〜1年の間の株価の値動きを想定しながら、株価チャートの底値で買って高値になったタイミングで売る事を繰り返して利益を得る事を目指すため、スイングトレードとも呼ばれるようです。
この投資スタイルには、一定期間の相場の動きを的確に予想するスキルが必要とされます。こちらはサラリーマンでもスキマ時間を見つけて実行可能で、利益を上げる事も十分可能とは思いますが、このスタイルも日々の株価チャートの動きに細心の注意を払っておく必要がある事には変わりないため、個人的にはもっと長い期間で考えられる長期投資の方が好みです。
③長期間での利益を狙う投資スタイル
長期間での利益を狙う投資スタイルとしては、1年以上から数年、場合によっては10年以上を見越して投資をするスタイルとなります。
投資スタイルにも色々とあり、主として企業の業績に反して株価が安いまま放って置かれている銘柄に投資するバリュー(割安)株投資、今後順調に成長していき株価も一緒に上がる事が期待される銘柄に投資するグロース(成長)株投資、そして既に企業として成熟してしまって今後の大きな成長は見込めないが、業績が安定していて高配当金を出し続けてくれる銘柄に投資する高配当株投資などがあります。
どの投資スタイルが良いかは人それぞれの考え方によりますが、いずれのスタイルにせよ将来のための資産形成を目的として投資を行う場合は、成果が出るまでに十分な期間をかける事ができる長期投資の方が基本的には向いていると私は考えます。
長期投資が向いている理由としては、以下3つが挙げられます。
- 長期間において、株価は(概ね)世界の経済成長に伴って成長していく
- 実際に投資するまでに、自分が納得するまで十分に吟味する時間をかけられる
- 副産物として、ビジネスマンとしてのスキルアップが見込める
長期間において、株価は(概ね)市場の経済成長に伴って成長していく
株式というのは企業の所有権そのものであるので、業績が上向いている企業があれば多くの人がその企業の所有権を欲しがる事で長期的には株価が上がっていき、逆に業績が下がっている企業は倒産の可能性も出てくるため誰も所有権を欲しがらなくなり長期的には株価が下がっていきます。
17世紀に株式会社が誕生して以降、経済は利益を効率良く生み出す株式会社の力によって大きな成長を遂げてきました。
例として米国のGDP成長グラフ(米国セントルイス連銀データベース) を見てみると、設定された1940年代から現在まで右肩上がりのグラフとなっており、着実に経済成長を続けてきた事が分かります。米国というのはあらゆる分野で株式会社が主役となって経済を引っ張ってきた国なので、GDPの成長はあらゆる株式会社の業績成長の総和と連動していると考えられます。
そして一方の、米国を代表する30企業の株価に連動するダウ平均株価チャート (Yahoo Finance)を見てみると、短期的にはバブルや暴落で株価が上下しつつも、全体の大きな流れとしては右肩上がりとなっています。
以上から、米国のように株式会社が中心となって経済成長を続ける市場に長期間の投資をすれば、今後も株価の上昇という形で恩恵を得られる可能性が高い、と予想する事ができます。
実際に投資するまでに、自分が納得するまで吟味する時間をかけられる
マインド面での話になりますが、自分が良いと思って投資した銘柄の株価が予想に反して下がってしまうというのもよくある事です。
その下落が一時的に下落しているだけなのか、それとも自分が予想を読み間違えていて今後も上昇する見込みが無いのかはケースバイケースと思います。しかし、投資した結果がいかに悪かったとしても最終的には投資をすると決めた自分の責任であるため、投資をする前には自分の下した投資判断に対して自分が納得している必要があります。
長期投資の場合は毎日の株価の細かい変動は正直あまり気にする必要はないので、自分が納得するまで調査に時間をかけて、買っても良いと思える状況になるまで待つ事ができるというメリットがあると考えます。
(それでも投資の世界には大きなトレンドというものがあるので、それに乗り遅れないように注意する必要はあると思いますが)
副産物として、ビジネスマンとしてのスキルアップが見込める
最後に、投資で得られる利益と直接関係はありませんが、長期投資の場合は買おうとしている企業の決算書を読んで将来的な業績を予想したり、その企業が属する業界の金額的な規模や今後の成長性、更には国際的な政治経済の動向などを調べる事になるので、ビジネスマンとしてのスキルアップになるという副産物のメリットがあります。
私も実体験として、株式投資のために学んだ企業/業界分析のやり方が本業のサラリーマンでの仕事の役に立った事があり、思わぬ所でスキルアップしていたんだと嬉しくなった覚えがあります。
結論:将来の資産形成には長期投資がオススメ
以上から、20〜30年後のための資産形成が目的であるのなら、長期間じっくり取り組める長期投資をオススメする理由について書いてみました。
投資に対する考え方は人それぞれだと思いますが、何かの参考になっていたら幸いです。
それではまた〜