【読書感想】いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」
今回は、世の中に数多ある民間の保険は基本的に入る必要の無いものであるという事を説いた本、『いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」』を読んだ感想の記事となります。
本書は日本生命の営業職で約10年勤務、および複数社の保険を扱う代理店勤務の経験がある後田氏と、医療情報学・医療経済学を専門とする永田氏による共著となっており、国による手厚い健康保険が充実している日本で、あえて追加で民間の保険に入る必要性への疑問を投げかけた内容となっています。
『LIFE SHIFT』でも言われている通り、これからは大半の人が100歳近く、もしくはそれ以上に生きる"人生100年時代"がやってくる事が想定されています。
人間、長生きすると何かしらの病気に掛かりがちになり、自分の健康状態が覚束無くなってくるのはどうしても仕方のない事なので、何らかの対策や備えが必要になってきます。
世の中を見渡せば、こうした長生きリスクに対して備えられる事を売り文句をした保険商品が沢山販売されています。しかし、本来保険というものは “発生する確率が小さいが、もし発生すれば損失が大きい出来事" に対して備える事に向いた商品です。
従って、長生きリスクという “高い確率で起きる出来事" に対して保険で備えるのは、保険というものの本質に実はそぐわない行為であるため、その帳尻合わせのために保険の加入者に何らかの負担を強いる構造の商品設計になっている場合がほとんどという訳ですね。
また、保険商品は契約時点の約款に書かれている事が全てですので、長期間の加入を前提とする保険では、社会制度の改正や日々の医療技術の進歩に対してフォローする事が出来ず、いざ保険が必要な段階になった際に契約時に思った通りに活用できるのかというのも疑問が生じる所です。
そうした点から、本書では基本的には保険というものは扶養家族のいる世帯主が掛け捨ての安い生命保険のプランで入るくらいで十分で、それ以外のケースについては保険への加入は不要と断じています。
保険会社に高い手数料を取られる保険商品を買うくらいなら、まとまったお金が必要になるタイミングに向けて貯蓄する生活習慣に身に付けたり、今後先細る一方になるだろう年金に頼らず、60代、70代になっても健康に働いてお金を稼げるくらいの頑丈な肉体と、気楽に生きる余裕のある精神を持てるようにする方が、世に数多ある保険商品に頼るよりもよっぽど人生100年時代に対する保険になりえそうですね。
それでは、また~👋