厳選された高配当銘柄に投資できるETF、”HDV”について【米国株ETF】

今回は、厳選された高配当銘柄にお手軽に投資できる米国株ETF、“HDV" について書いた記事となります。

HDV も前回紹介した VYM と同様、低コストで手軽に米国の高配当銘柄へ投資できるという特徴を持った ETF となります。

HDVとは

HDV とは、世界最大手の米国の資産運用会社 BlackRock が提供している ETF (上場投資信託) となります。従って、VYM と同様に米国の株式市場がオープンしている時間帯でリアルタイムでの売買が可能です。

このETFは、低い経費率厳選された高配当銘柄へ手軽に分散投資できるという点が特徴となります。

連動元の指数について

HDV は原則として “Morningstar Dividend Yield Focus Index" という指数に連動するように運用がされています。

この指数はその名の通り Morningstar 社が提供している指数で、同社は米国で投資関連サービスを提供している有名な会社ですね。日本にも同様に投資関連サービスを提供している「モーニングスター株式会社」があり、同会社の株式の約20%弱を Morningstar 社が保有しています。(本記事作成時点)

そんな “Morningstar Dividend Yield Focus Index" は、以下のようなルールで運用されています。

①:対象銘柄は米国上場企業のほぼ全て (“Morningstar US Market Index" という指数に含まれる銘柄)
②:①の対象銘柄から、Morningstar 社が設けた基準ベースで財務状況が優良かつ"経済的堀" (Economic Moat) を有していると判断された優良銘柄を選定 (ただし不動産投資信託(REIT)は除外)
③:②で選定した銘柄から、配当利回りの高い順に75銘柄をさらに選定
④:③で選定した銘柄を、時価総額の加重平均 x 配当支払い金額の加重平均という形で調整して指数に組み込み (1銘柄の組み込み割合には上限あり)
⑤:構成銘柄は四半期毎に見直し
(引用元:"Construction Rules (PDF)" より要約)

この指数は上記ルールの②で定められている通り、財務状況が優良かつ"経済的堀"を持つ企業を選定してくれるというのが大きな特徴の1つです。

“経済的堀" とは言わずと知れたレジェンド的な投資家 Warren Buffett 氏が提唱したとされる概念で、簡単に言えば長期的な利益の源泉になる、競合他社が簡単には真似できないビジネスモデル上の強みの事を指しています。

Morningstar社はこの"経済的堀"の評価を自社の投資助言サービスとしても提供しているので、その銘柄選定には一定の信頼が置けそうですね。

他には、時価総額の加重平均の要素が入っている点は VYM と同じですが、上記ルール③のように配当利回りが高い順に銘柄数を絞りこみ、また上記ルール④のように配当支払い金額の大きい順により大きく指数に組み込む、といった独自要素も大きな特徴となっていますね。

過去の配当金の水準

配当金と配当利回りの水準について、過去実績は以下のグラフのようになっています。

1株あたりの年間合計配当金と、各年の年初始値株価ベースの税引前配当利回り

HDV の配当金は年4回(3月/6月/9月/12月)に分けて分配されますが、上記グラフは年間合計分を表示しています。

配当金の支払い額は昨年比で減配している年もありますが、概ね毎年増配されている傾向にありますね。

配当利回りは税引前の配当金と各年の年初始値ベースを用いて計算したもので、VYM と比べるとやや高めの利回りで推移しています。

S&P500 ETF (IVV) と比較してみる

比較用に、S&P500指数に連動するETF (IVV) と比較をしてみます。(IVV は BlackRock 社提供の S&P500連動ETF)

HDVIVV (参考)
構成銘柄数75銘柄500銘柄
経費率0.08%0.03%
純資産高87億ドル3,140億ドル
年率平均トータルリターン(5年)7.95%15.14%
標準偏差(5年)15.65%15.75%
過去最大の株価暴落率(コロナショック時)-31.36%-30.99%
直近の配当利回り(税引前)3.40%1.31%
(注) 2022年3月初旬時点の公開情報ベース。情報元: Morningstar.com 他

経費率は 0.08% と普通のインデックス投資ETFよりはやや高いですが、それでも低コストの部類ですね。

VYM もそうでしたが、標準偏差(リスク)に対するリターンは劣っていますね。理由も VYM と同様、構成銘柄に過去5年で大きく株価を伸ばした情報技術系の銘柄が含まれていないためとなります。

株式のETFなので、暴落する際はしっかり暴落する点も VYM と同じです。

構成銘柄を比較

以下、それぞれのETFの上位構成銘柄となります。

記事作成時点では、HDVの方の上位は XOM (エクソンモービル) と CVX (シェブロン) と、高配当で有名な原油採掘会社となっていますね。

同じ高配当ETFの VYM とはまた異なった銘柄選定になっており、それが HDV の独自性になっていると感じます。

引用元:BlackRock の ETF紹介ページより

HDV は税制面でデメリットあり

VYM と同様に、配当金の受け取りの際には税制面のデメリットがあります。

(条件は同じなので詳細は以前の VYM の記事を参照ください。)

厳選された高配当銘柄に分散投資できるETF

以上、VYM に続いて人気の高い米国高配当ETF HDV の概要について書いてみました。

構成銘柄数が多い VYM とは異なり Morningstar 社基準による 75銘柄に厳選されており、配当利回りもやや高めになっているのが特徴です。

個人的には75銘柄もあれば十分に分散効果は効いていると考えるので、この ETF も VYM 同様に相場が下がっている際に一括で購入して後は放置、という運用が個人的には理想と考えます。

以上、読んで頂いた方の参考に少しでもなっていれば幸いです。

それでは、また~👋

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