個別株シンプルメモ コメダホールディングス【3543】

素人の独断と偏見と誤解に基づく個別株メモ。今回は名古屋発の喫茶店チェーンのコメダホールディングスについて。

事業内容

事業内容は、主にフランチャイズ方式の喫茶店事業の単一セグメント。全国的にチェーン展開している「喫茶店コメダ珈琲」や、数は少ないながらも「おかげ庵」などの店舗を展開。

強みとしては、来客が長時間くつろげる事を重視して多頻度来店したいと思わせる店舗設計。ユニークなメニュー開発、郊外立地の店舗が多く地代や賃料を抑えている事、フランチャイズ方式による高い利益率など。

店舗数は950店舗以上で、9割以上が国内のコメダ珈琲店となっている。9割以上がフランチャイズ店のため、直接的にはロイヤリティと、コーヒーやパンの食材卸売で稼いでいる。

2022年2月期時点
2022年2月期時点

ロイヤリティの概要は以下で、1席あたりの定額制のため店舗数が伸びない以上はロイヤルティ収入増は期待できない反面、フランチャイジーの営業努力で売上が伸びれば、卸売収入が伸びる構図になっている。

コメダ珈琲店のロイヤルティ契約概要(2022年2月期時点)

加盟に際し、当社が徴収する加盟契約料、ロイヤルティなどに関する事項
「コメダ珈琲店」及び「おかげ庵」ともに同様の契約内容となります。
 保証金: 300万円(※)
 加盟金: 300万円(1店舗目)
      150万円(2店舗目以降の場合)
 研修費用: 50万円(2018年3月31日以前は15万円)
 ロイヤルティ: 月額1席あたり 1,500円
※保証金に関しては3つのパターンがあり、原則として連帯保証人が2人以上であれば300万円、1人であれば600万円、保証人を付けない場合は900万円としております。

業績推移

2016年期から2021年期までの業績推移は以下。

コロナの影響が最初に生じた2020年期以外は順調に売上は上昇中。一方で、総利益率は原価の上昇に伴い減少の傾向あり。

利益は売上推移と同傾向なるも、2019年期からリース関係の償却費計上により、EBITDAと営業利益は若干差が生じている。営業利益率も減少中。

ROIC は概ね10%未満程度で推移。中期経営計画では2026年までに10%を達成する方針。

配当金の推移

配当は例年は50円前後だが、2020年期は減配した事あり。配当性向は40%台を維持しており、総還元性向は50%を目標としている。

バリュエーション推移

EPSはコロナが始まった2020年期から減少中。株主優待の影響か、PERは概ね18あたりが水準か。

EBITDA倍率は13倍程度を水準に推移。

コロナ禍を経験しても財務状況は比較的優良な状態を保っており、自己資本は堅実に伸びており、BPSも順調に上昇中。有利子負債比率も4割程度と低め。

過去5年間のデータ

過去5年の月次株価データから計算。β算出には日本市場を代表するものとして TOPIX を使用。

  • 月次リターン中央値: 0.11 %
  • 月次リターン算術平均値: 0.49 %
  • 標準偏差: 5.30
  • 回帰係数(β値): 0.67
  • 相関係数: 0.56
  • 決定係数: 0.31
  • 年率幾何平均リターン: 4.33 %
  • 年率リスク: 18.36 %
  • 年率幾何平均リターン÷年率リスク: 0.24

所感

国内メインの飲食事業セクターでありながら、高めの収益性と比較的優良な財務状況で安定した印象の企業。

差別化が難しそうな喫茶店事業の中で「コメダ珈琲」は独特なブランドを築いており、全国的に多くのファンから愛されている。(私もファンの一人です)

目下の懸念としては、材料費の高騰を値上げで補う対応とする一方、国内の可処分所得は減少の一途を辿っているため、今後客足が減少してしまう可能性、また中長期的には急激な高齢化が進むことでコメダ珈琲の売りである大容量のメニュー展開が敬遠されてしまう可能性、といったところが想像される。

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