【お勧め本紹介】FACTFULNESS (ファクトフルネス)【世界的名著】
この記事を読んでくださっている方は投資に対する勉強ってどのようにされていますでしょうか。
勉強の仕方は本を読んだり、人から聞いたり、最近だと Youtube みたいな動画投稿サービスで学ぶという方もいるかもしれません。(全くの勘という方はさすがにいないですよね?)
今回から、自分が投資の仕方を学んだり、自分の投資に向き合う考え方について影響を受けた本について紹介していきたいと思います。
今回紹介するのは、一見投資とは直接的な関係性が無さそうに思えても、長期投資に向き合う際に必要な心構えと、将来への希望を養うのに大切だと感じた本です。
この本を読む前は、私は「長期投資といってもこれからの将来、本当に世の中はまだ成長していく余地があるのかな〜?」とか「将来の世の中は今よりももっと悪くなってそう😥」とか思っていたので、長期投資に対して積極的には踏み出せませんでした。
しかし、この本を読んだ事で「世の中は昔と比べて着実に良くなり続けているんだ😀」という事が事実として分かりましたし、またそれらのデータを基にして100年スパンで将来的に世の中がどのように変化していくのか、ぼんやりと見通しが立てられるようになったと思います。
他にも本著は、目の前の出来事を無意識に偏った目で見てしまいがちな人間の本能だけに頼るのではなく、「事実」という根拠に基づいて冷静に世の中を見る事がいかに大切なのか、という事を改めて教えてくれる本でもあります。
今回はそんな気付きを与えてくれた世界的な名著として名高い、『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』という本について紹介します。
本の紹介
本著はスウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたハンス・ロスリング氏とご家族によって書かれた本で、以下の販売実績があります。
またハンス・ロスリング氏は2012年に米TIME誌が選ぶ「世界で最も影響力100人」に選ばれています。
2020年上半期ビジネス書ランキング1位、3冠達成
※オリコン調べ、日販調べ、トーハン調べ
読者が選ぶビジネス書グランプリ2020 総合グランプリ第1位
世界で300万部突破
『ファクトフルネス』2020年上半期ビジネス書1位。日本国内85万部突破、世界で発行部数トップに(PR TIMES)
この本は 米Microsoft の ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も絶賛しており、ビル・ゲイツは2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントした程だそうです。
【世界100万部超】ビル・ゲイツ、バラク・オバマが絶賛した名著『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』が、発売20日で20万部突破!Amazon総合1位に!(PR TIMES)
以降、本著の見所から特に長期投資を行っている方に対して見所となるポイントをかいつまんで取り上げていきます。
「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
人は誰しも、物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しやすいものです。
これは人間が持つ「ネガティブ本能」による影響なのですが、そのせいで世界について「とんでもない勘違い」が生まれている、と本著は述べています。
その勘違いとは「世界はどんどん悪くなっている」というもので、例えば毎日のようにニュースで貧困や戦争、紛争、災害、悲惨な事故だったり、温暖化といった環境汚染が深刻化しているといった情報が入ってくると無意識にそのような印象が根付いてしまいがちです。
しかし実際は想像と反して、貧困状態にある人は過去と比べて激減したと本著で示しており、例えば1966年には1日2ドル以下で生活する人が世界の人口の半数(!)でしたが、2017年にはわずか9%まで割合が減少しています。
つまり、ニュース等では一切報じることは無いのですが、かつて1日2ドル以下で生活していた数十億人の人達は世間一般が知らない間に飢餓に苦しむ貧困から脱して、そしてグローバル市場で消費者や生産者になっていた事が分かります。
他にも平均寿命や乳幼児の死亡率、飢餓で苦しむ人や災害による死者数、大気汚染の度合い、作物の収穫量や発表される学術論文の数、ひいてはギターの販売本数などの世界的な統計データが示されており、世の中は着実に豊かに、安全で住みやすい環境になってきている事が分かります。
「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
人は常にグラフが右肩上がりになる、と無意識に勘違いをしてしまう生き物のようです。
本著のグラフでは世界の人口の増加グラフが示されており、1950年を過ぎたあたりから現在まで爆発的に増加してきた事が示されています。
このグラフを見るとそのままの勢いで人口増加が今後も続くと無意識に思ってしまいがちですが、実際は世界の人口は2100年頃には110億〜120億人の間で安定する見通しとなっています。
今後人口の増加が止まる理由は赤ちゃんの出生数や女性1人あたりの子供の数は1965年以降は劇的に低下し続けているためですが、将来の人口は現時点の出生数以上には増える事はないため(当たり前ですね)、2100年頃には人口増がストップすると正確に見通しが立てられる訳です。
そもそも現在までに人口が増えてきた主な理由は主に医療の進歩により赤ちゃんが生存しやすい環境になったためです。
つまり、逆を言えば過去に出生数が多かったのはその分たくさん赤ちゃんが死んできたという事の裏返しでもある訳なので、今後さらに世界各地の医療技術が発展していく事を考えれば、女性1人あたりの出生数は世界的に減っていく予想になります。
なお出生数が減っているに関わらず、現在〜2100年頃までは人口増となる見通しで、理由としては生産可能な年齢である15歳〜74歳が増えるためとなります。
生産可能な人口が増えるという事は商品を買う所得を持ち始めたり(購買力)、消費も増えていくという期待が持てるため、世界全体で見るとまだ経済は更なる発展の余地があるという事を意味します。
人の生活は地域・文化ではなく、所得に依存する
著者のハンス・ロスリング氏が家族と立ち上げた「Gapminder 財団」が運営するWebサイトに「Doller Street」という興味深いサイトがあります。
これは全世界の人々の所得状況と生活レベルが一目でわかるようにまとめられたサイトで、このサイトは人々の生活は地域の文化によるものでは無く、所得状況に応じて変わるという事を伝えています。
サイト内では生活に関する様々なもの(寝具や生活用品など)を所得状況に応じて比較する事ができるようになっていますが、例えばアジア地域でシャンプーに絞って検索した結果を見てみると、例え同じ国であったとしても所得が低い世帯は粗末な石鹸のみである一方、所得が高い世帯はグローバル企業(P&G等)のシャンプーを使っていたりと、人の生活は地域や文化によらず、ただ所得によってのみ決まるという事が一目瞭然となっています。
これは、つまり今後新興国や中進国という国々が経済発展して所得状況が上向いていけば、P&G等のグローバル企業の売上も伸ばしていける期待が高いという事が分かります。
世界の長期的な成長を期待できる良本
以上、かなり抜粋ではありますが本著は今後の世の中の長期的な成長と、今後も着実に良くなっていくという希望を与えてくれる名著です。
世界全体株式インデックスなどへ長期投資を行う人は、少なからず将来の世界が明るい事を信じて投資を行っているはずなので、本著を読むことでより具体的に将来ビジョンが見えるようになると思います。
以上、本記事を読んでくれた方の役に立っていましたら幸いです。
それではまた〜。