決算書の読み解き方①【財務諸表の種類】
今回から、個別企業の株式投資をしていく上でどのように決算書を見ていけばよいのかについて、自分なりに解説していきます。
まず私は、株式投資に関しては米国S&P500のようなインデックスへの投資を主軸にして進めていくのが良いと基本的には考えています。
インデックス投資が良いと思う理由は、一言で言うならば個別株式よりもリスク分散が可能になるからです。
個別株投資の場合は、もし業績が長期間低迷する場合には株価下落や上場廃止のリスクをフルに受けてしまいますが、インデックスファンドの場合はファンドが自動的に中身を入れ替えてくれるため、保有している際にファンドの中身の個別株式について逐一労力をかけてチェックする必要が無いからです。
一方で、インデックス投資は「株価も右肩上がりで配当金も多めに出してくれる企業の株式を多めに持ちたい!🤩」というようなわがままな調整を望む場合には向いていないため、そのような場合は個別企業の株式をそれぞれ買っていく事でインデックス投資では賄えない部分をフォローする必要があります。
そこで、個別企業の株式を買うに当たって必要になってくるのが決算書(財務諸表)を読み解く知識となります。
なぜ決算書(財務諸表)が重要なのか?
株式は会社の所有権そのものであるため、インデックス投資と併用して長期にわたって株式を持つ場合は決算書をよく見て業績や経営状態がどうなっているのか把握する事をお勧めします。(短期トレードの場合は基本的に関係無し)
なぜなら、会社の業績と株価の推移にはある程度の相関があるのが普通であるため、株価の値上がりでキャピタルゲインが欲しい場合は決算書を読み解いて今後の業績を予想する必要があるからです。
また配当金目当ての投資の場合でも、配当金は企業が年間で稼いだ利益を原資に支払うものであるため、企業がどの程度配当金を支払う余力があるのか(無理して支払う状況にある場合は減配・無配転落などの可能性が高い)を決算書を見て判断する必要があります。
以上から、上記のような投資スタイル(インデックス併用 or 配当金狙いの投資)の方にとっては決算書は必読の資料となります。
まず今回は、企業が定期的に作成している決算書(財務諸表)について解説します。
決算書(財務諸表)とは?
決算書とは、企業が四半期(3ヶ月)毎、もしくは1年間の間に営業活動を行った結果、どれだけの利益をあげて、どれだけの資産の動きがあったのかを報告する書類となります。(正式には財務諸表と呼びます)
そして決算書とは主に①貸借対照表 ②損益計算書 ③キャッシュフロー計算書の3種類の書類からなっており、上場企業であれば各企業HPの"投資家向け情報", “IR情報"といったページや、EDINET や TDNET といった無料で誰でも使える情報開示サービスで確認することができます。
普通、決算書は①貸借対照表 ②損益計算書 ③キャッシュフロー計算書を載せたページと、その期間の企業業績が良かった理由/悪かった理由、今後の業績の見通しなどが書かれたページで構成されており、投資をしようと考えている方にはもちろん、もし投資するつもりの無い企業であっても読むだけでビジネスや経済の勉強にもなる一石二鳥な存在です。
以下、①貸借対照表 ②損益計算書 ③キャッシュフロー計算書のそれぞれの説明です。
貸借対照表(B/S)とは?
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、ある瞬間において企業が持っている資産、負債、自己資本を示した資料で、英語で Balance Sheet と呼ばれる事からB/Sの略称で呼ばれる事があります。
基本的に四半期事や1年間の期間の末の時点での企業がどれだけの資産を持っているのか、また負債と自己資本はどの位の割合なのかを把握するのに役立つ資料となっています。
損益計算書(P/L)とは?
損益計算書(そんえきけいさんしょ)とは、企業が四半期事や1年間の期間の末の時点までにどれだけの利益をあげたのかを表した計算書となっており、英語で Profit Loss Statement と呼ぶ事からP/Lの略称で呼ばれる事があります。
企業が採用している会計基準の種類や業種にもよりますが、基本的には企業がその期間にあげた売上高をスタートとして、どれだけの原価と経費を使って、どれだけの税金を払って、最後にどれだけの利益(純利益)が企業に残ったのかを知るのに役立つ資料となっています。
キャッシュフロー(C/F)計算書とは?
キャッシュフロー計算書とは、企業が四半期毎や1年間の期間の末の時点までにどれだけのキャッシュ(現金)を稼ぎ、どれだけそれを成長のための投資に回したり、借金の利息支払や配当金支払に用いたのかを表した計算書となっています。
キャッシュフロー計算書は B/SやP/Lよりも何にお金を使ったのかがより分かるようになっているため、その企業が現在どの状態(成長段階/成熟段階/衰退段階/倒産間近)にあるのかを読み取ることができます。
企業というのはある支払い期限に対して手元の現金(キャッシュ)が尽きた時に倒産するものなので、この計算書を読むことで「キャッシュフローがあまり良くないのでこの企業への投資は避けたほうが良い🤔」と判断できたりする重要な資料です。
(長期投資の場合は)決算書は必ず目を通そう!
以上、個別企業への長期投資において決算書を読んだ方がよい理由について解説してみました。
決算書というのは企業価値や、企業の営業活動を理解するのに欠かせないものなので、最初はとっつきにくいかもしれませんが是非目を通すことをおすすめします。
次回からは貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書のそれぞれについて解説していきたいと思います。
それではまた〜。