決算書の読み解き方②【貸借対照表】
今回も決算書の読み解き方について説明していきます。決算書全体の概要解説については前回記事のこちらを参照ください。
今回は貸借対照表(B/S)📄の解説となります。
なお、私は「決算書&ファイナンスの教科書」(著:西山茂)という本に基づいて主に勉強したため、解説の内容もそれに沿ったものになっています。
もっと詳しく知りたいという方は、是非この本や他の本を手に入れて読むことをお勧めします。一冊読むだけでも結構な勉強になると思います!
他、今回から説明していく決算書というものは原則的に複式簿記という会計方法に則って計算・記述されています。
日商簿記3級程度の知識量があれば決算書の理解も早まるため、簿記を全く知らないという方には「はじめての人の簿記入門塾」(著:浜田勝義) という本が最初の一歩としてオススメです。
現代の資本主義経済💲は簿記・会計の発展によって支えられてきたといっても過言ではないため、一度学べば今後ずっと役に立つ知識となります。
貸借対照表とは?
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、企業の決算日における資産状況💰を表した資料です。
資料は資産の部、負債の部、純資産(自己資本)の部の合計3部門で構成されており、それぞれ以下の意味を持っています。
資産の部
資産の部は、その名の通り企業が保有している資産の内訳を示しており、例えば以下のようなものが含まれています。
企業はこれらの資産を用いて事業活動を行い、利益💰を生み出していく事が使命となります。
- 預金残高などの現金類
- 商品を販売したがまだ代金を未回収で、今後徴収する予定のある金額 (受取手形、売掛金)
- 持っている土地や建物
- 事業に必要な機械類
- 「のれん」や、事業に必要な権利関係
- その他有価証券類
負債の部
次に負債の部は、例えば銀行からの融資など期日までに返さなければいけないお金(平たく言うと借金🌀)を示しています。例えば以下が負債となります。
- 購入した商品や原材料に関して、未払いの金額 (支払手形や買掛金)
- 商売のために銀行等から借りたお金 (短期借入金と長期借入金)
- 商売のために関係者や投資家等から借りたお金 (社債)
純資産(自己資本)の部
最後に純資産(自己資本)の部は、借金とは違い期日までに誰かに返したりする義務の無いお金を示しており、銀行などの他者のものでは無い企業の実質的な財産☀️を示しています。例えば以下が純資産となります。
- 創業時に最初に運転資金として出資されたお金 (資本金と資本剰余金)
- 企業が現時点までに稼いで積み重ねてきたお金 (利益剰余金)
ちなみに企業が株券発行と引き換えに株主から調達したお金は、この部門の資本金という項目に該当しています。
私のような一般投資家が買っている株式は、この資本金の調達と引き換えに発行された後、株式市場というオープンな場へ流通して売買されているものが中心となります。
資産/負債/純資産の関係性
上記で貸借対照表の各部門について説明しましたが、それぞれの部の合計金額は必ず以下の関係が成り立つようになっています。
資産=負債+純資産(自己資本)
つまり、金額の大きさを面積で表すと以下のように左右(左:資産、右:負債+純資産)で合計金額が全く同じとなるように貸借対照表は作られています。
この書式が複式簿記の優れた点ですが、こう表記される事で企業が持っている資産が、どれだけの負債と純資産によって構築されているのかを端的に表す事ができます。
次回は、この貸借対照表から何が読み取れるのか?について解説したいと思います。
それではまた~。