最近主流のインデックス系の投資信託を比較してみる【2022年1月】
ここ最近人気を集めており、個人向けの資産形成の手段として主流になりつつあるインデックス投資系の投資信託を比較してみた記事となります。
比較する投資信託
今回は以下の6種類の投資信託を比較してみました。
いずれも円建てで、なんらかの指数(インデックス)へ連動するタイプの投資信託となっています。
投資信託 | 投資先 | 提供元 |
---|---|---|
① eMaxisSlim 全世界株式 (オールカントリー) | 全世界 | 三菱UFJ |
② SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 全世界 | SBI |
③ 楽天・全米株式インデックスファンド | 全米 | 楽天 |
④ SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 全米 | SBI |
⑤ eMaxisSlim 米国株式 (S&P500) | S&P500 | 三菱UFJ |
⑥ SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | S&P500 | SBI |
それぞれが連動する指数の詳細は以下となっています。いずれも為替の影響を受けるようになっています。
投資信託 | 連動する指数 |
---|---|
① eMaxisSlim 全世界株式 (オールカントリー) | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (円換算ベース) |
② SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス (円換算ベース) |
③ 楽天・全米株式インデックスファンド | CRSP USトータル・マーケット・ インデックス(円換算ベース) |
④ SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | CRSP USトータル・マーケット・ インデックス(円換算ベース) |
⑤ eMaxisSlim 米国株式 (S&P500) | S&P500指数(円換算ベース) |
⑥ SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | S&P500指数(円換算ベース) |
純資産高と経費率
それぞれの投資信託の純資産と経費率は以下のようになっています。(2022年1月時点)
投資信託 | 純資産高 | 経費率(名目) | 経費率(実質) |
---|---|---|---|
① eMaxisSlim 全世界株式 (オールカントリー) | 3,967億円 | 0.1144% | 0.15% |
② SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | – | 0.1438% | – |
③ 楽天・全米株式インデックスファンド | 4,717億円 | 0.162% | 0.19% |
④ SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 511億円 | 0.0938% | – |
⑤ eMaxisSlim 米国株式 (S&P500) | 9,487億円 | 0.0968% | 0.12% |
⑥ SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 4,589億円 | 0.0938% | 0.10% |
(注2) ④ SBI・V・全米株式インデックス・ファンド の実質経費率は、まだ設定来1年未満なので未公表。
これらの投資信託は2021年の間にかなりハイペースで純資産高が増えており、2021年にスタートしたばかりの「 SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 」を除いてはかなり大きな純資産高となっています。
楽天はこの中では一番昔からある投資信託ですが、ここ数年はより安い手数料設定で打ち出してきた eMaxisSlim の登場や、一番新しく最も勢いのある SBI・Vシリーズに人気が奪われている印象です。
なお投資信託は一般に30億円以上の純資産高があれば問題無いと言われているため、その点ではどれを選んでも問題無いですね。
経費率に関しては名目の経費率の他に、直近で公表された実質経費率を比較しています。
これも一番新しく設定された SBI・Vシリーズが名目経費率、実質経費率ともに一番安くなっていますね。
インデックス系の投資信託を選ぶ際は経費率が安いものを選ぶのが基本となりますので、クレカ積立とポイントバックキャンペーンで攻勢を掛けている SBI・Vシリーズが今後も人気を集めていくと予想されます。
2021年のリターンを比較
最後に、2021年の6月末-12月末における一括投資リターンを参考までに比較してみます。
本来は特定の半年間という短いスパンでのリターンを比べるのではなく、もっと長いスパンでもって比較するべきなのですが、今回は一番新しい SBI・Vシリーズの設定来に合わせた時期での比較としてみます。
投資信託 | 投資先 | 半年間リターン |
---|---|---|
① eMaxisSlim 全世界株式 (オールカントリー) | 全世界 | +9.82% |
② SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 全世界 | – |
③ 楽天・全米株式インデックスファンド | 全米 | +13.94% |
④ SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 全米 | +13.75% |
⑤ eMaxisSlim 米国株式 (S&P500) | S&P500 | +16.89% |
⑥ SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | S&P500 | +16.78% |
こうしてみると、2021年後半はS&P500の円建てパフォーマンスは凄まじいものがありましたね。
なお2021年は振り返ってみれば S&P500 にお金を置いておくだけで良い結果が出るスーパーボーナスステージでしたが、この調子が今後も続く期待は低いので、浮かれず、リスクの取り過ぎには注意していきたいところです。
参考に、2020年3月末のコロナショック以降の VT(全世界, 緑線)、VTI(全米, 青線)、VOO(S&P500, 赤線) のチャートは以下のようになっています。このチャートで見ると VTI(全米, 青線) の伸び率が一番大きいですね。
リターンの比較はどの時点を切り取るかで結果は変わるので、最終的に投資先を選ぶ際には直近のリターンだけではなく色々な切り口で比較して、自分で納得した上で選ぶことをオススメします。