【読書感想】会計の地図
今回は、企業の財務3表に見ていくにあたって、企業の経済活動の結果がどのように財務3表に変化を及ぼすのかという点について非常に分かりやすく図解された『会計の地図』という本について紹介します。
本書の著者は近藤哲朗氏という方で、主に『図解総研』という団体でビジネスモデルの図解解説などの活動を行っている団体の理事を務めておられるようです。
簿記会計の入門書を読む前に読む本
本書は、企業の財務3表を理解するのに必須な知識である貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/S) を、なるべく専門用語に頼らずに図を用いて解説する事で、簿記や会計の知識が全く無い方でもそれらの理解が容易になるようになっている点に価値があります。
簿記や会計の勉強を始めた際に一番最初にネックになると感じるのが、会計特有の概念(お金の流れの記帳方法等)を今までの生活で馴染みの無い専門用語で理解する必要がある、という点だと感じます。
その点において、本書は「P/L と B/S はどのような関係性にあるのか」「純利益やキャッシュフローの変化は B/S にどのように反映されるのか」といった、簿記会計の初学者には理解しにくい概念を図やイラストをふんだんに用いて解説されているため、直感的な理解の助けになります。
また、本書の後半では「今後の世の中は B/S に載らない無形価値がこれからの会社の評価を形作っていく」という著者の持論が記載されています。
近代~現代までは、世の中の需要はまず物質的に満たされる事が最優先であったため、企業は大量生産のための機械設備に投資して B/S を拡大する事で会社を成長させていくのが主流と言えました。
しかし、現在~今後の世の中は環境保護や人権尊重の流れから、財務3表に載らない領域での活動や投資を重要視する世の中へ変わっていくような流れにあります。
そういう世の中に変わりつつある中では、単に財務3表に載っている数字を読むだけでは無くて、会計の中でどのように資金が使われているのかを理解する必要があると考えます。
本書を読むだけでそれが分かるようになるわけではありませんが、まず会計を理解するためのとっかかりや土台作りとして本書はおすすめです。
著者の方自ら、note で内容を公開されているようです(太っ腹!)
それでは、また~👋