気になるニュースまとめ【24/01/10】

興味を引いた最近のニュースを要約してまとめています。

台湾選挙を目前に控えて

  • 台湾では、民主進歩党、国民党、台湾民衆党の三つ巴の争いとなる大統領選挙と立法院選挙がこの土曜日に行われます。これはアメリカと中国の関係、アジア太平洋地域の安全保障にとって非常に重要な選挙と見なされています。
  • 現在の民主進歩党政権は、高いインフレと低迷する賃金、高騰する住宅価格に対する政策が不十分であると批判されています。対抗馬として登場した台湾民衆党の柯文哲は、特に若い有慮者からの支持を集めています。
  • 米国との関係強化を望む民主進歩党の候補、賴清徳は、台湾が対中政策での誤算を避け、安全保障上の脅威に対処するためには、立法院での多数派を維持する必要があると強調しています。
  • 中国は台湾に対する主張を強化しており、選挙に対する干渉を行っているとされています。これにより、台湾海峡および近隣海域での軍事活動が活発化しています。
  • この選挙は、台湾の有権者が民主進歩党にさらに4年間の政権を託すか、または政権交代を選ぶかを決める重要な機会です。

中国の経済状況

  • 中国の消費パターンに変化が見られ、より多くの消費者が量より品質の高い商品を選ぶ傾向にあります。サービスと消費部門が、2024年の中国の成長を牽引すると市場関係者は見ています。
  • ゴールドマン・サックスは、中国の国内総生産が2024年に4.8%成長すると予測しており、特にサービス活動の回復が見込まれています。これには、ホテルチェーンやオンライン旅行代理店、マカオのカジノなどのレジャー関連活動が牽引役となるとされています。
  • 中国の生産者価格は、消費者需要の弱化により低下しており、消費者価格指数も下落しています。地方政府の借金増大、不動産セクターの問題、国内外の需要減少が影響しています。
  • しかし、中国の消費者は品質重視の傾向にあり、これがプレミアム商品やサービスを提供する企業にとって有望な見通しをもたらすと専門家は指摘しています。また、「中国製造」イニシアチブが経済を後押しし、持続可能なGDP成長の大きな原動力となると見られています。
  • 中国政府は不動産危機の解決や経済支援を約束しており、不動産セクターの支援や経済全体の景気刺激策が市場のセンチメント改善につながると分析されています。

ホンダが進める先進的EV計画

  • ホンダは2026年に北米で発売を開始する新しい電動車両のラインナップのプレビューとして、「スペースハブ」と「サルーン」という二つのコンセプトカーを発表しました。これらのモデルは、「ホンダ0シリーズ」と呼ばれる新しいEVシリーズの基礎となる予定です。
  • ホンダは、この「サルーン」コンセプトに基づいたホンダ0シリーズの最初のモデルを北米で導入し、その後日本、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、中東、南アメリカでモデルを発表する計画です。
  • 「サルーン」は、トロン映画に登場するような未来的なデザインの車で、大きな開口部のフロントエンドライトと中央にリデザインされたホンダの「H」マークが特徴です。内部には、ミニマリスティックなデジタルコックピットとヨーク型のステアリングホイールがあります。
  • 「スペースハブ」はミニバン/シャトルで、サルーンと同様のデザイン特性を持ちますが、より大きなフォーマットで展開されています。内部にはラウンジタイプのシーティングを備えた広大な後部エリアがあります。
  • 両方のコンセプトは自動運転機能を備えているように設計されており、ステアリングヨークはダッシュボードに収納可能です。ホンダは、0シリーズが最初に日本で導入された技術に基づいた先進的なドライバー支援システムを特徴とし、次に「自動運転」システムが導入されると述べています。

SECの Twitter が乗っ取られ、Bitcoin ETF 承認と虚偽のアナウンス事件

  • 米証券取引委員会(SEC)の公式X(旧ツイッター)アカウントが不正アクセスされ、ビットコイン現物投資型上場投資信託(ETF)の承認という虚偽の投稿が表示された事件が発生しました。この投稿は後にSECによって否定されました。
  • この投稿には、SEC委員長ゲンスラー氏の偽のコメントも含まれており、ビットコイン市場に一時的な影響を与えました。SECは、ビットコイン現物投資型ETFの上場および取引を承認していないと説明しています。
  • SECはこの事件を調査するため法執行当局と協力しており、問題の投稿はSECのものではないと指摘しました。Xは、SECのアカウントが不正アクセスされた時点で、セキュリティを強化するための二要素認証が有効になっていなかったことを明らかにしました。
  • この事件により、ビットコインは一時的に価格が下落しましたが、その後一部回復しました。現在、米国では約12社がビットコイン現物投資型ETFの申請をSECに行っています。
  • SECは、ビットコイン現物投資型ETFの申請について、二つのテクニカルな要件を満たす必要があります。これらの要件が承認されれば、ETFの取引開始が可能となります。

能登地震による地震保険請求額は1000億円以下とやや低めの見通し

  • 1月1日に発生した能登半島地震による地震保険の請求額は、合計で1000億円以下になる可能性があります。これは、近年日本で発生した大地震と比べて低めの額ですが、大手損保4社は計600人以上を動員して被災者対応に当たっています。
  • 2016年の熊本地震や21年の福島県沖地震など過去4回の大地震の平均保険金請求額は2310億円で、今回の地震の被害は主要な商業施設や工場に大きな被害が出ていないとされています。
  • 損保業界は、地球温暖化による自然災害の多発や再保険コストの上昇などにより厳しい事業環境に直面しています。能登半島地震のマグニチュードは7.6で、東日本大震災の9.0に次ぐ大きさです。
  • 東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループ、損害保険ジャパンなどの大手損保は、災害対策本部を立ち上げ、被災地域での損害対応や調査に当たっています。
  • 個人向け住宅の地震保険の大部分は政府が負担する再保険でカバーされており、今回の地震による損保各社の支払い負担は少額にとどまる見通しです。しかし、被害の全容はまだ明らかになっておらず、損保各社への影響は現時点では不明です。

米国で生じている警官不足

  • サンフランシスコ市警は人員不足に直面しており、警察官の初任給を11万2398ドル(約1600万円)に引き上げるなど、「全力」での採用活動を行っています。この給与はニューヨーク市警の約2倍に相当し、大統領警護隊の給与を上回る額です。
  • 昨年のサンフランシスコ警察学校の卒業生は26名と過去10年間で最少であり、今年はわずか6人の生徒が練習に参加している状況です。
  • サンフランシスコ市の住宅価格の高さや警察に対する否定的な見方が、応募者の減少に影響しています。しかし、治安悪化への反動が表面化し、警官への支持が強まっています。
  • 米国では他の多くの町や都市も警官の確保に同様の課題に直面しており、ダラス市警やフロリダ州などが警官募集のための施策を打ち出しています。
  • 「ポリス・エグゼクティブ・リサーチ・フォーラム」の調査によると、2023年1月までの3年間で米国の警察署の人員は約5%減少しており、辞職者や退職者が増加しています。サンフランシスコの警察は現在、2020年の水準を13%下回っていますが、増員キャンペーンは一定の成果を上げています。

台湾有事で生じる経済損失は世界GDPの10%に相当

  • 台湾有事の場合、約10兆ドル(約1440兆円)のコストが発生し、これは世界GDPの約10%に相当するとブルームバーグ・エコノミクスが推計しています。これは、ウクライナの戦争や新型コロナウイルスのパンデミック、世界金融危機よりも大きな影響を及ぼすとされています。
  • 中国の台湾侵攻が差し迫っている可能性は低いとされていますが、中国と台湾、および米中関係の緊張は危機の条件が整っていることを意味しています。1月13日の台湾総統選は、この緊張関係に火をつける可能性があります。
  • 台湾は世界の先端ロジック半導体の大半を製造しており、その価値は約6兆ドルに上ります。また、台湾海峡は重要な海上輸送路の一つであり、その封鎖は世界経済に甚大な影響を与えるでしょう。
  • ブルームバーグ・エコノミクスは、中国による侵攻や台湾の封鎖という2つのシナリオをモデル化しています。これらのシナリオでは、半導体供給の打撃や地域輸送の混乱、貿易制裁や金融市場への影響が考慮されています。
  • 台湾のハイエンド半導体を必要とする製品の生産ラインが停止し、自動車産業などへの影響も大きくなると予想されます。さらに、貿易障壁や金融市場のリスクオフショックにより、コストはさらに膨らむ可能性があります。

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