積立投資は利益確定したほうが良いのか
ここ数年で、米国株式インデックスへの積立投資が日本人の現役世代を中心に王道の資産形成手法として定着しつつありますね。
実際にS&P500に代表される米国株式インデックスは、2022年10月ごろを直近の底値として、先の景気不安の疑惑の声を打ち消すように着実に上昇を続けています。
一方で、あまりに順調に株価が上がっていると、『そこそこ含み益が出ている今の段階で利益確定してしまったほうが良いのでは・・・』と思ってしまうのが人の性。
そこで今回は、どんな状況の人なら積立投資から利益確定に移行していく事がもっともらしくなるのか、定性的に考えてみようと思います。
目次
【CASE-1】人生の終盤期に差し掛かり、資産の取り崩しを始める人
まず最初に思いつくのが、仕事を退職して人生の終盤期に差し掛かり、それまでに積み立ててきた資産をいよいよ取り崩して使い始めるフェーズにある人。
積立投資を行ってきた目的が老後の備えのためなら、この行動は最ももっともらしく、本来の目的に沿ったものなので何も気負うことはありませんね。
過去の歴史を見る限り、株式が暴落するような経済状況においては、元の株価に戻るまで10年近く掛かることも十分にありえます。
したがって、もう自分の老後資金として十分な水準の資産に達したと納得感を持てるならば、株価が好調なうちに大きめに利益確定して使い始めるというのは立派な戦略と言えそうです。
【CASE-2】直近でまとまった大きな資金が必要な人
次に考えられるのは、直近でまとまった大きな資金が必要な人が考えられますね。
現役世代が積立投資をする理由は、老後資金の他には子供が大きくなった時のための教育費(かつてのジュニアNISAがそうでしたね)などが例として挙げられます。
こちらも、すでに目標とする水準の金額まで既に達しているのであれば、利益確定して、意図した用途へ使う準備をしておくのも良さそうです。
【CASE-3】そろそろ株価が下がる(ような気がする)と考える人
このタイプの方は『自分は未来の株価がどうなるか分かる』という特殊能力持ちのようなので、是非その能力を活かしてトレードでお金持ちを目指してください。
【CASE-4】CASE-1~3のどれにも当てはまらない人
上記1~3のどれにも当てはまらない私のような人間は、積立投資はそのまま継続したほうが良いと考えます。
そろそろ株価が下がるような気がしたとしても、利益確定したところでどのみち直近では使い道のないお金であり、現在の大インフレ時代においては現金で持っているだけでマイナスリターンとなり続けるだけなので、超長期の未来を考えるならば投資を継続するほうが期待リターンは大きくなります。
また、利益確定後に再投資する予定なら、利益確定で生じる20%弱の税金を支払うのはもったいですね。
明確な利益確定の理由がない限りは、投資継続したほうが良いという話でした。